Jump-Kids☆スペシャル対談

佐野 弘宜 × 田中 友紀

佐野 弘宜(Koki Sano)

宝生流能楽師。 加賀宝生、二代佐野吉之助の弟・安彦のひ孫に当たる。4歳の時、18代宗家・宝生英雄に入門。19代宗家宝生英照、および父に師事し、同年、能「鞍馬天狗」にて初舞台を踏む。
東京芸術大学音楽学部、同大学大学院を修了後、2008年、能「経政」にて初シテ。2010年より、内弟子修行を積み、独立。
東京、北陸三県を中心に活躍中。

田中 友紀 (Yuki Tanaka)

プログラミング検定協会(Jump-Kids☆)
代表取締役社長
元凄腕交渉人、小学生2児の母

ー田中と佐野氏の出会いー イベント実現ヒストリー

佐野氏は小学校から高校までを青山学院大学の付属校で過ごし、大学は東京芸術大学へ進学。

田中の兄と佐野氏が学友で、高校時代に一緒にバンドを組んでいた。そこへボーカルとして田中が加入し2人は出会う。渋谷・目黒などでライブをしたことは、今も大事な思い出である。と、田中は語る。
社会人となって会う機会は減り、田中はJump-Kids☆の代表に、佐野氏は全国を飛び回る有名な能楽師になっていた。

ー2018年、冬。田中から佐野氏へ一通のメールを送ったことにより全てが動き出した。

「きっと、誰かが変えてくれる」
「いい世界にならないかな—」ではなく、「自分たちで変えていかないといけない」
「世界を良くするも悪くするも、僕たち・私たちにかかっている」

同じ志を持つ二人。その強い想いからこのプロジェクトはスタートした。

幼児に「能」を観せたことは一度もない。
能楽師一人で舞台に立つことなど一度もない。ありえない。
スタッフも素人しかいない。
ないない尽くしのプロジェクト。

でも、「やってみよう!」と佐野氏は言ってくれた。

そして、さらに強力な助っ人が。
Jump学生リーダー。あらゆる企画交渉をし、チャレンジし、前例のないものを可能にしてきている仲間の一人である。当日、一緒に司会進行を、プロジェクターを使い楽しく盛り上げてくれることになった。

「日本一の学生 × 世界で活躍の能楽師 × 日本一の幼児スクール」

このコラボイベントが2019年1月に実現する。

イベント前対談

田中 さて、どうやって能を伝えたらいいんだろう。

佐野 うーん。幼児には初めてだからなぁ(笑)

田中 きっとね。能はむずかしいもの。飽きちゃうみたいなイメージか強くて、子供にはわからないに決まっているっていう勝手なイメージがみんなあると思うんだよね。

佐野 うん。そうだろうねー。

田中 うん。

佐野 能ってさ、面を最初から最後まで同じものをつけてるし、背景も変わらないでしょ。つまり、言葉を聞いて自分でそのシーンをイメージしながら自分だけの世界を想像して楽しむんだよね。

田中 まさに思考力!

佐野 そう、思考力。

田中 世の中、思考力 思考力言ってるけど、ブームに乗って受けがよさそうな教室や教材が溢れすぎてて、つまらないと私は思う。

佐野 そうだねー。Jumpみたいに、一から全て考え、つくっている会社はすごいよ。

田中 FCじゃないからね。(笑)FCする側だからね。(笑)

佐野 それを主婦でやってるんだからすごい!

佐野 話を戻すけど、子供たちには『はごろも』って話が一番伝えやすいかなー。友紀、一部コラボして共演してくれる?

田中 え!?

・・・・

さて、本番はどうなるのでしょう・・。

イベント当日の様子

 

イベント後対談

田中 今回ね、「能」をやるってなって、幼児に「能」ですか!?って保護者の方にもたくさん質問されました。

佐野 ちょっとざわざわしてた?(笑)

田中 そう ざわざわ ざわざわ(笑) 

  どうやって「能」を伝えるのか不思議だったんだと思う。

佐野 あはははは まあ たしかにね(笑)

佐野 やり方はね、僕たちで試行錯誤して、何回もやっていって、育っていけばいいと思うし、第1回でこれだけのことが出来たのは、上出来だったと僕は思う。

田中 上出来だと思う。

田中 舞台もそこそこ雰囲気がね出てたよね。

佐野 配置もあれぐらいで、プロジェクターも置くぐらいのスペースさえあれば、出来ないこともないし。

田中 またここでも出来るし、ただ、もう一工夫。こっちがもう一工夫何かして、もう一回「能」を見る前に何か挟んでやって、二日連続とかでもいいのかもしれないですよ。

佐野 あー。そっかー。見る前に、まずその前段階があって・・・うんうん

田中 あと、やっぱり難しい機会だと思うけど、そのうち本物の能楽堂の舞台を見せたい。見た全員が感激することは難しいのかもしれないけど、一人でも二人でもいいから見たこともないものを見て、刺激になって、新しい発見から今までになかった能力が開花したらいいなーて、よく思うんだよね。どんなことがその子の力を引き出すきっかけになるかわからないから。

佐野 そうだねー。いい方法ないかな?

佐野 ここに、バックにほんとにお囃子がいたら、もう全然違うんだよね。やっぱり。それはそれでねー。

田中 お囃子。お囃子いいねー!高そうだな~(笑)

佐野 (笑)

田中 でも、やりたい!私お囃子、お囃子見たい!ここを舞台にしたい!!

佐野 そうだねー。そうすると詩い手も一人必要になるよね。

田中 本物の舞台を観に行くとなると、赤ちゃん連れでは無理だし、子供も飽きてしまうけど、幼稚園に来ていただけるなら、色々な人が楽しめると思う。

佐野 ねー。それによって、能を知ってくれる人が増えるなら、僕たちも幸せだよ。

佐野 お囃子付きで、幼稚園でできないか、私の方でも頑張ってみます。

田中 やりましょう。

佐野 やりますか。

田中 よろしくお願いします!

一度のイベントで満足せず、二人の挑戦はまだまだ続くようです。

イベントの様子は、こちらから

佐野さん、田中代表、参加頂いた皆様お疲れさまでした。